YouTubeの自動投稿をAPIで組むと動画が「非公開」に固定される理由。先に来る壁は割り当てではなく監査、日本語版ドキュメントには古い数字も
- 2020年7月28日以降に作られた未確認のAPIプロジェクトから videos.insert で投稿した動画は、すべて「非公開」に制限されます。解除には監査が必要で、この理由でロックされた動画は再審査を請求できません。
- Google Cloud でAPIを「有効」にしたことと、YouTubeの監査を通ったことは別物です。コミュニティには、週1〜2本の犬の動画でもロックされた実例があります。
- 1日の本数は、日本語版の videos.insert ページだと1回1,600ユニット(1日6本相当)のまま。英語版は2026年6月から専用バケットで既定1日100回です。これとは別に、チャンネル単位の1日の上限もあります。
- APIを使わない選択肢は、YouTube Studio の一括アップロード(一度に最大15本)と公開予約です。ブラウザ上の自動化ツールは監査の対象外ですが、利用規約の「自動化された手段」の一文は残ります。
Python や GAS で YouTube Data API から投稿するスクリプトを書いた。エラーは出ないのに、翌朝には動画がすべて「非公開」。「youtube 自動投稿」の検索候補には「api」「python」「n8n」が並びます(2026年9月26日確認)。上位の開発ログはコードが中心で、公開まで届かない理由と1日の本数が手薄です。私たちは2026年9月26日に、公式ドキュメントを日本語版と英語版で読み比べました。
APIで投稿した動画が「非公開」になるのはなぜか
日本語版のvideos.insert のリファレンスの冒頭です。
2020 年 7 月 28 日以降に作成された未確認の API プロジェクトの videos.insert エンドポイントからアップロードされた動画はすべて、非公開の視聴モードに制限されます。
解除にはプロジェクトごとの監査が必要です。さらにヘルプ「非公開としてロックされた動画」によると、この理由でロックされた動画は再審査を請求できず、確認済みの経路で投稿し直すしかありません。
実例があります。2021年5月11日の YouTube コミュニティの質問「youtubeのAPI(ver3)を使用して動画投稿すると非公開にされてしまう」では、週1〜2本の犬の動画がロックされ、メールには「スパム、欺瞞行為、詐欺に関するポリシー」とありました。投稿者は Google Cloud での「承認」で足りると考えていました。「APIを有効にした」と「監査を通った」は別の手続きです。

1日に何本投稿できるのか:日本語版の数字は古い
よく見る「1日6本まで」は、既定の1日10,000ユニットを1本1,600ユニットで割った数字です。英語版の変更履歴では、2025年12月4日にアップロードのコストが「約1,600から約100ユニットへ」下がり、2026年6月1日には videos.insert が専用バケットに移りました。英語版リファレンスの現在の表記は「100 calls per day」です。
日本語版はページごとに更新時期が違います。videos.insert は今も「1,600 ユニット」、スタートガイドは「100 ユニット」。どのページを読んだかで、計算上の本数が6本にも100本にもなります。

割り当てはプロジェクト単位で、チャンネルの上限は別です。アップロードのヘルプは、パソコン・モバイル・APIのどれでも1日の本数に上限があるとしていますが、数値は非公開です。
監査の前に、規約で確かめる4項目
基準は開発者ポリシー(2026年9月14日更新)です。
- III.D.1.c:APIクライアント1つにプロジェクトはちょうど1つ。割り当て目当てにプロジェクトを増やす設計は反します。
- III.D.3:追加の割り当ては承認された用途だけ。用途が変われば監査の出し直し。
- III.D.4:90日連続で使われないと、認証情報の取り消しや割り当て削減がありえます。
- III.I.2:ユーザーの事前の明確な同意なしに、アップロードやコメントを自動化しない。
要約なので、判断は原文が優先します。
APIを使わない自動投稿はどう考えるか
時刻を決めて出したいだけなら、Studio で一度に最大15本をアップロードし、公開予約を使えば足ります。
ブラウザを操作する自動化ツールもあり、私たち NoobClaw もこの形です。videos.insert を通らないので非公開ロックの仕組みは当てはまりませんが、規約の外に出るわけではありません。YouTube 利用規約(2023年12月15日発効)は、事前の書面許可などがない限り「自動化された手段」でのアクセスを禁じており、ブラウザ型ツールがこれにどう当たるかを YouTube は示していません。私たちも「許可されている」とは言えません。
私たちの判断では、自分のチャンネルに毎日出す目的でコードを保守できるなら、監査を受けたAPIが最も筋のよい経路です。TikTok の同じ仕組みはTikTokのAPI自動投稿の記事へ。
よくある質問
ロックされた動画を後から公開にできますか?
ヘルプは再審査不可・投稿し直しとしており、公開に切り替えられるとは書いていません。
2020年7月28日より前に作ったプロジェクトなら大丈夫ですか?
2020年の変更履歴は「現時点では影響を受けない」(not currently affected)としつつ、全プロジェクトに監査を強く勧めています。その後この記述が更新されたかは、変更履歴で確認してください。
複数チャンネルに同じスクリプトで投稿できますか?
割り当てはプロジェクト単位、上限はチャンネル単位です。停止が他チャンネルに及ぶ話はチャンネル停止の記事で。
まずプロジェクトの作成日と監査の有無を確かめる。コードを直すのはその後です。
参考資料
- videos.insert — Google for Developers — 2026年9月26日確認 — developers.google.com
- Revision History — Google for Developers — 同 — developers.google.com
- スタートガイド — Google for Developers — 同 — developers.google.com
- Developer Policies — Google for Developers — 2026年9月14日 — developers.google.com
- 非公開としてロックされた動画 — YouTubeヘルプ — 2026年9月26日確認 — support.google.com
- 動画のアップロード — YouTubeヘルプ — 同 — support.google.com
- 公開時刻の予約 — YouTubeヘルプ — 同 — support.google.com
- youtubeのAPI(ver3)を使用して動画投稿すると非公開にされてしまう — YouTubeコミュニティ — 2021年5月11日 — support.google.com
- 利用規約 — YouTube — 2023年12月15日発効 — youtube.com
