X(旧Twitter)の自動投稿を「APIなし」でやる前に読む、規約と料金の現在地
- X の日本語利用規約は、公開インターフェース以外の方法での接続を「自動プログラムか否かを問わず」対象にしている。APIなしで回避できるのは料金であって規約ではない。
- X API の公式ドキュメントは現在「pay-per-usage(従量課金)」と明記し、サブスクリプションではなく事前購入クレジットの消費と説明している(2026-09-17確認)。
- 開発者ポリシーの禁止事項で最も実務に効くのは「同一または実質的に同様の投稿を複数アカウントにまたがって行わない」という一文。
- 違反時の措置には投稿削除やアクセス停止だけでなく「公開範囲の制限」も明記されている。止まるのではなく、静かに届かなくなる。
note に並ぶ「APIなしでX自動投稿を組んでみた」という記事を読むと、たいてい最後の段落で同じことが書かれている。動いた、でも消えないか不安だ、と。月額を払いたくない気持ちと、アカウントを失いたくない気持ちが、同じ人の中で戦っている。
この記事では、その不安を宥めるのではなく、今日の公式文書に何が書いてあるかだけを並べる。x 自動投稿を apiなしでやるという選択が、どのリスクを減らしてどのリスクを減らさないのかがはっきりする。
「APIなし」で消えるのは料金であって、規約ではない
X の日本語利用規約(x.com/ja/tos、2026-09-17確認)には、こう書かれている。
ユーザーは、当社が提供する、現在利用可能な公開インターフェースを介する方法以外で本サービスにアクセスすることはできません。
さらに禁止事項の列挙の中に、公開インターフェース以外の方法(自動プログラムか否かを問わない)でのアクセスや探索、そして書面での同意なきクローリング・スクレイピングが明示されている。ここで区別されているのは「APIかどうか」ではなく「Xが提供した入口を使っているかどうか」だ。
だからブラウザを自動で動かす方式は、料金の問題を消しても、規約上の問いをそのまま持ち越す。自分のログイン済みブラウザで、人と同じ画面から、人と同じ速度で投稿している限りは提供された入口の内側にいる。自動化の実装が技術的制限の回避や大量アクセスに寄った瞬間、上の条文の側に寄っていく。

API側の料金は「従量課金」に変わっている
「apiなし」を探す動機の大半は料金だ。そこで今日、公式ドキュメント(docs.x.com/x-api/introduction)を直接読んだ。現在の説明はpay-per-usage pricingであり、「No subscriptions—pay only for what you use.」そして「Purchase credits upfront. Deducted as you use the API.」——事前にクレジットを買い、使った分だけ引かれる形だ。
このページに無料枠の案内は見当たらなかった。個別の単価はコンソール側にあり、今日は取得できていないので金額は書かない。重要なのは構造のほうで、月額固定から従量へ移った瞬間、「とりあえず契約して放置する」という使い方の経済性が消えたということだ。英語側でこの変化を追った記事として、無料枠がどうなったかと1投稿あたりの費用を公開した事業者の分析がある。
判定されているのは「誰が書いたか」ではなく「機械が何をしたか」
開発者ポリシー(developer.x.com/en/developer-terms/policy、英語)には、書き込み系の機能——投稿、フォロー、DM——は Automation Rules に従う必要があると書かれている。そのうえで、実務でいちばん効く一文がこれだ。
- 同一または実質的に同様のコンテンツを、複数アカウントにまたがって投稿しない。
- 大量・攻撃的・スパム的な行為(大量フォローを含む)を行わない。
- ボットとして運用するなら、その旨と責任者を明示する。
つまり、AIに書かせたこと自体が線ではない。線は、同じ文面を束にして出すこと、そして人ではありえない速度と量で社会的な動作をすることのほうにある。この構造は英語圏の各プラットフォームでも共通していて、規則の読み比べでも同じ結論になった。
そして日本語規約は、違反時の措置として「コンテンツの削除、公開範囲の制限、Xへのアクセスの停止、法的措置」を留保すると書いている。「公開範囲の制限」が並んでいることの意味は大きい——止められたのではなく、投稿はできるのに届かない、という状態が制度として存在している。自動投稿を始めてから伸びが落ちたとき、多くの人はアルゴリズムのせいだと考えるが、規約はもっと直接的な可能性を書いている。

それでも自動化するなら、この5つだけ守る
- 入口を変えない。自分がログインしているブラウザ、人が触るのと同じ画面から出す。技術的制限の回避に触れる実装をしない。
- 同じ文面を複数アカウントで使わない。ポリシーが名指しで書いている唯一の量的な線がここ。
- 速度を人に寄せる。固定時刻の連投ではなく、間隔にも時刻にも揺らぎを持たせる。
- 1日の上限を先に決める。上限は後から下げるのが難しい。始める前に決めておく。
- 返信とフォローを自動化に混ぜない。大量・攻撃的な動作として最初に見える形がここ。
この形を製品にしたもののひとつが NoobClaw で、X への自動投稿はアカウントごとにAIが別々の原稿を書き、自分のパソコンのブラウザから人らしい間隔で出す。パスワードを預けない設計だが、正直に書けばこれもブラウザ側で動く自動化であり、Xの規約と頻度の線は同じように守る必要がある。ツールを変えても、上の5つが免除されることはない。
よくある質問
APIを使わなければ規約違反になりませんか。
いいえ。日本語規約は「公開インターフェース以外の方法(自動プログラムか否かを問わない)」でのアクセスを禁止事項として挙げています。判断の軸はAPIの有無ではなく、提供された入口を使っているか、そして頻度と動作が人の範囲に収まっているかです。
X APIの無料枠は今もありますか。
2026-09-17に公式の紹介ページを読んだ限り、無料枠の案内は見当たりませんでした。現在は従量課金として説明され、事前購入したクレジットが使用に応じて引かれる形になっています。具体的な単価はコンソール側にあるため、この記事では金額を書いていません。
AIに書かせた投稿は自動的に違反ですか。
開発者ポリシーが名指しで禁じているのは、同一または実質的に同様のコンテンツを複数アカウントにまたがって投稿することや、大量・攻撃的な動作のほうです。文章を誰が書いたかではなく、出し方と量が判定の対象になります。
