Xの複数アカウントは規約違反?——上限の個数はどこにも書かれておらず、線は「目的」に引かれていた
- X自動化ルール日本語版の原文は「まったく同じ目的またはほぼ同じ目的に利用するために複数のアカウントを作成したり、自動化したりすることは禁じられています」。個数の記述はありません。
- 同じページに例外も明記されています。「関連しているが同一ではない目的で複数アカウントを自動化することは認められています」——公式が挙げる例はハッブル宇宙望遠鏡の都市別アカウントです。
- 見落とされやすい一行として「Xのウェブサイトを操作するスクリプトを作成するなど、API以外の方法で自動化を行う」が禁止事項側に並んでいます。目的の話とは別の軸です。
- XとTikTokは判断基準が同じではありません。Xは用途で、TikTokは「欺いたり、ルールに違反したり」していないかで書かれています。
「Xのサブ垢って何個までいいんですか」。この検索結果には、個人の投稿と、2015年や2018年で止まっている解説記事が並びます。共通しているのは、誰も規約の該当箇所をそのまま引用していないことです。
理由は読めばわかります。Xの自動化ルールには、アカウント数の上限が一行も書かれていません。代わりに書かれているのは目的の話で、公式が挙げている「許可される例」がハッブル宇宙望遠鏡です。
個数を探しても出てこないのは、規約がそこを数えていないから
X ヘルプセンターの「自動化ルール」日本語版(2026年9月21日確認、ページ上の表示は「更新日: 2017年11月3日」)には、スパム行為の例として二つが並んでいます。
重複ポスト、複数アカウント: 自身が操作する1つまたは複数のアカウントから、重複するポストやほぼ同内容のポストを投稿することは禁止されています。<br>重複アカウント: まったく同じ目的またはほぼ同じ目的に利用するために複数のアカウントを作成したり、自動化したりすることは禁じられています。(help.x.com/ja/rules-and-policies/x-automation)
二つとも数えているのはアカウントの数ではなく、中身と目的の重なりです。三つ持っていても目的が三つに分かれていればこの文の対象になりませんし、二つしか持っていなくても同じ内容を両方に流していれば前者にそのまま当たります。
公式が挙げている「許可される例」は、天文台のアカウント群だった

重複アカウントの禁止条文のすぐ下に、例外が続きます。「ただし、関連しているが同一ではない目的で複数アカウントを自動化することは認められています。たとえば、ハッブル宇宙望遠鏡がさまざまな都市の上空を通過するときに別々のアカウント(サンフランシスコ、香港など)でポストを自動投稿することは許可されます」。
この例は、複数アカウント運用を考えている人にとって具体的な設計指針になります。アカウントを分ける根拠が「同じものを別の場所にもう一度出すため」なら禁止側、「読者層も文脈も投稿内容も違うため」なら例外側、という読み方ができるからです。都市ごとに分けたハッブルのアカウントは、同じ望遠鏡の話をしていますが、投稿する内容は同一ではありません。
実務では、増やす前にアカウントごとに一行書けるかどうかで自己点検できます。「このアカウントは、誰に、何について、他のアカウントが投稿しないどんな内容を出すのか」。この一行が二つで同じ文になるなら、規約が「ほぼ同じ目的」と呼ぶものに近づいています。
もう一行、目的とは別の軸で置かれている禁止事項がある

同じページの「行ってはならないこと」には、目的とは無関係な一行があります。「Xのウェブサイトを操作するスクリプトを作成するなど、API以外の方法で自動化を行う。このような方法で自動化を行った場合、アカウントが一時的にロックされるか、永久凍結されることがあります」。
これは「目的が分かれていれば大丈夫」という話の外側にある条件です。X で複数アカウントの自動投稿を検討している人は、目的の線引きと実装方法の線引きを、必ず二つ別々に確認してください。料金の側は1投稿あたりの単価を調べた記事、APIを使わない場合は規約と料金の現在地をまとめた記事にあります。
わたしたちが作っている NoobClaw も、アカウントごとに内容を作り分ける形の道具です。だからこそ中立に書いておきます。自動化に関する条文の書き方はプラットフォームごとに違い、X については上の一行が明示的に存在します。わたしたちの側で言えるのは、パスワードを預からないこと、操作が利用者の端末上で行われること、各アカウントの内容を別々に生成すること、公開前の人による確認を残すこと——ここまでです。規約に適合するかを判断するのはプラットフォームであって、ツールの提供者ではありません。
XとTikTokを同じ基準で考えると、どちらかで間違える
複数アカウントの規約を調べる人は、たいてい複数のプラットフォームを見比べます。ここで注意が必要です。XとTikTokは、判断基準が同じではありません。
TikTokのコミュニティガイドライン日本語版はこう書いています。「ユーザーは複数のアカウント(ファンコンテンツや創造的な表現など)を所有することができますが、他者を欺いたり、ルールに違反したりしてはなりません」。線が引かれているのは「欺いているかどうか」であって、用途が重なっているかどうかではありません。
逆に言えば、TikTokの条文を根拠にXの運用を設計すると、「重複アカウント」条項を見落とします。TikTok側の読み方は「何個まで」が公式に書かれていない理由をまとめた記事に分けてあります。プラットフォームごとに条文を読み直すこと自体が、複数アカウント運用の作業の一部です。
よくある質問
Xの複数アカウントは何個まで作れますか。
自動化ルールの日本語版に、アカウント数の上限は書かれていません。書かれているのは「まったく同じ目的またはほぼ同じ目的」で複数アカウントを作成・自動化することの禁止です。個数ではなく、目的の重なりが判定軸です。
同じ内容を複数のアカウントに投稿するのは違反ですか。
自動化ルールには「自身が操作する1つまたは複数のアカウントから、重複するポストやほぼ同内容のポストを投稿することは禁止されています」と明記されています。アカウントが一つでも、同じ内容の繰り返しは対象に含まれる書き方です。
この記事で引用しているページはいつのものですか。
help.x.com の日本語版「自動化ルール」を2026年9月21日に確認したものです。ページ自身は「更新日: 2017年11月3日」と表示しています。なお、複数アカウントの管理方法を説明する別のヘルプページは同日アクセスできなかったため、引用していません。
