Xの凍結、異議申し立てが認められたのは約2%——Xが日本の法律に基づいて公表した数字から、申し立て前にやることを逆算する
- Xが情報流通プラットフォーム対処法第28条に基づいて公表した報告書によると、2025年4月〜2026年3月に日本のユーザーから受けたアカウント停止への異議申し立ては2,025,622件、認められたのは41,796件(約2.1%)でした。
- 同じ期間、「真正性」を理由とする日本ユーザーのアカウント停止は5,321,832件あり、そのうち5,292,769件は人のレビューを経ない自動化技術による停止でした。
- 「ロック」は電話・メール・reCAPTCHAで本人が解除できる状態で、凍結とは手続きが違います。まず画面の文言で、自分がどれに当たるかを確かめてください。
- 同法第27条は、Xのような大規模事業者に、措置の「その旨及びその理由」を発信者へ通知することを原則として義務づけています。申し立て文は、通知に書かれた理由と基準に対応させて書くのが出発点です。
ログインすると「このアカウントは凍結されています」。「x 凍結」の検索候補には「異議申し立て 例文」「解除されない」「解除 期間」が並びます(2026年9月25日)。
上位の記事は例文を教えてくれますが、申し立てがどのくらい通っているのかは書いていません。X自身が日本の法律に基づく報告書で公表しており、私たちはそのPDFと条文を読みました。
まず確認:それは「凍結」か、「ロック」か「機能制限」か
Xのヘルプセンターは三つを別々に説明しています(ロックまたは制限されたアカウント、アカウントの凍結について)。
| 状態 | ヘルプの説明 | 戻し方 |
|---|---|---|
| ロック | 乗っ取りの疑い、ルール違反の自動化された操作など | 電話・メール・reCAPTCHA |
| 機能制限 | ポストがフォロワーにだけ表示される等。期間は「違反の内容により異なります」 | 期間終了か、電話・メール認証 |
| 凍結 | ルール違反。原因のほとんどは「スパム行為または明らかな偽装」 | 画面の指示か、異議申し立て |
あえて制限された状態でアカウントを使用する場合、アカウントは一定期間にわたって制限された状態が続いた後、再認証によりアカウントを復活するオプションが表示されなくなります。
放置で戻るとは限りません。ロックや制限なら、まず認証を。以下は「凍結」の場合の話です。
異議申し立てが認められたのは約2%:Xが日本向けに公表した数字
総務省は2025年4月30日、X Corp.を情報流通プラットフォーム対処法の「大規模特定電気通信役務提供者」に指定しました。指定事業者は同法第28条により、措置の実施状況を毎年公表します。それがXの日本IDPA遵守報告書です(2026年8月31日更新、対象は2025年4月〜2026年3月)。
9ページの表では、日本ユーザーのアカウント停止への異議申し立ては2,025,622件、認められたのは41,796件。Xが自ら検知した停止に限っても1,924,341件中39,706件です。割り算は私たちの計算で、どちらも約2.1%。受領と認容の対応関係は書かれていないので、目安です。

8ページの表では、「真正性」を理由とする停止が5,321,832件。うち5,292,769件、約99.5%が「手動的人的レビューなし」の自動停止でした。母数の目安として、過去30日以内にログインした日本ユーザーは平均67,388,509人です(4ページ)。

「機械の誤判定だから申し立てれば戻る」という期待は、この数字からは裏づけられません。Xが自ら検知した停止(プロアクティブ執行)への申し立てに限っても、認容は約2.1%で全体と変わりません。なお報告書は、申し立てを「人のレビューなしの自動停止」分とそれ以外に分けては公表していません。
法律が凍結された側に保証していること、していないこと
同法第2条は「送信防止措置」に、発信者への役務提供を停止する措置を含めています。そのうえで第26条は、原則として自ら公表した基準に従う場合に限り措置できるとし、停止の基準は「できる限り具体的に」定めるよう努めることを求めています。第27条は、措置を講じたときは原則として遅滞なく「その旨及びその理由」を発信者に通知する(または容易に知り得る状態に置く)ことを義務づけ、公表基準に基づく措置なら、理由の中でその基準との関係を明らかにするよう求めています(同じ発信者に同様の理由で通知済みの場合などは例外)。報告書は、通知しなかった件数を「0」としています。
一方、条文はアカウントを戻すことまでは求めていません。義務違反を感じたら、発信者本人として違法・有害情報相談センターの報告フォームから報告できますが、個別事案には応じないと明記されています。以上は条文の要約で法的助言ではなく、原文が優先します。
申し立ての前にやること:通知の「理由」から逆算する
- 画面と通知メールを保存し、挙げられたルールを確かめる。
- 申し立て文をその理由に対応させて書く。例文より「どの行為が、なぜその項目に当たらないか」。Xの「信頼性」ポリシーは、開発者ポリシーに準拠しない自動化を「許可されていない自動化」に挙げています。ツールを使っていたなら、それが公式APIを通るものかをまず確かめ、事実と違う説明はしないこと。
- 新しいアカウントを作らない。同ポリシーは「凍結されたアカウントを模倣して代替すること」を禁じ、回避が疑われるアカウントは「その作成日にかかわらず」凍結しうるとしています。
複数アカウントはXの複数アカウントのルールを参照。自動化ツールを作る私たちNoobClawも含め、「どの経路で自動化するか」を先に確かめるべきです(「APIなし」自動投稿の記事)。
よくある質問
凍結の解除までどのくらいかかりますか?
公式ヘルプに凍結の期間の記載はなく、報告書も処理日数は公表していません。
例文を使えば通りやすくなりますか?
公式の説明はありません。見えている事実は認容が約2.1%だったことだけ。理由に対応していない申し立ては、文章の出来に関係なく根拠が弱くなります。
凍結されたアカウントを停止(削除)したい場合は?
ヘルプには「まず異議申し立てをする必要があります」とあります。TikTokはTikTokの凍結解除の記事へ。
今日やることは、画面を保存して届いた理由を読むこと。申し立て文は、理由を読んでから書く。
参考資料
- 日本IDPA遵守報告書 — X Corp. — 2026年8月31日更新 — transparency.x.com
- 情報流通プラットフォーム対処法(第2・26・27・28条)— e-Gov — 2025年4月1日施行 — laws.e-gov.go.jp
- 大規模特定電気通信役務提供者の指定 — 総務省 — 2025年4月30日 — soumu.go.jp
- ロックまたは制限されたアカウント — Xヘルプ — 2026年9月25日確認 — help.x.com
- アカウントの凍結について — Xヘルプ — 2026年9月25日確認 — help.x.com
- 信頼性 — Xヘルプ — 2026年9月25日確認 — help.x.com
- 義務の履行状況に関する報告フォーム — 違法・有害情報相談センター — 2026年9月25日確認 — houkoku.ihaho.jp
